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政府派遣東部ニューギニア遺骨収集事業について (大日方 辰夫 会員参加報告)

平成21年度政府派遣・東部ニューギニア遺骨収集団は、12月3日から17日まで15日間の日程でマダン、ボギア、ラエ地区を重点に遺骨調査と収集作業を実施した。今回現地で収集された遺骨は、日本遺族会の海外未送還遺骨収集事業で確認されたものを含め411柱が日本へ送還され、東京・千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に納められた。

派遣団は厚生労働省の千葉克美外事室長を団長に13人で構成され、県ニューギニア会から大日方 辰夫さん(71)が参加した。

大日方さんは「これまでの慰霊巡拝において、いまだに8万柱の未帰還遺骨が各地に残されていることを知り、一度は遺骨収集事業に協力したいと考えていた。年齢的にも限界だと思っていたが、今回幸運にも参加できた」と話している。

大日方会員の説明によると、今回の遺骨収集派遣団は、3日に成田空港を出発ブリスベーンを経てマダンに入り、北西約150キロのボギア地区での遺骨調査、収集を行った。ここは日本軍の兵たん基地があったハンサに近く、第18軍がマダンからウエワクへ転進した道中に当たる場所。9日にはラエに入り、現地のカウンセラーの協力で遺骨調査、収集を行い、焼骨作業と追悼式が厳粛に執り行われた。

この地は第51師団の将兵9,000人がサラワケット山脈を越えて、過酷な死の転進を行ったルートで、さらにフィンシュハーヘン周辺でも調査と遺骨収集を行った。

今回の派遣事業により、収集された帰還遺骨は702柱(東部ニューギニア411柱、西部291柱)にのぼり、12月17日東京・千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、遺骨の引渡・納骨式が行われた。

*厚生労働省によると、平成21年12月末現在、同方面の遺骨収集実績は次の通り
 ・東部ニューギニア地域 50,091柱
 ・西部ニューギニア地域 32,741柱

収集した遺骨の焼骨式(ラエ近郊) 平成21年12月12日

収集した遺骨の焼骨式(ラエ近郊)
平成21年12月12日