第25回慰霊巡拝  慰霊の言葉

 

戦没の霊に捧ぐ

 

 私ども長野県ニューギニア会の会員有志は、今年も皆さんにお会いしたくて第25回目の慰霊巡拝でここ「ウエワク慰霊の森平和公園」に参りました。

 思えば、あの太平洋戦争が終わってからすでに56年が経って、戦争があったことすら知らない年代も多くなり、いまや戦後という言葉さえ薄れてしまいましたが、私ども遺族は片時も皆さんのことを忘れることなく過ごしております。

 地球上の各地ではまだ戦火の絶えることの無い国もありますが、幸せなことに私たちの日本は、半世紀以上の平和が続いています。これも、国を、民族を、そして、家族を護るために戦って、命を捧げてくださった皆さんがたの御蔭であると、私達は折に触れて感謝をいたしております。

 もはや、私たちには皆さんが経験させられた「飢えや苦しみ」を自分の体では理解できないほどの時間が経過してしまいました。しかし、ここニューギニアの地を訪れる…、そして、皆さんが踏んだであろうこの土の上を歩くことだけで、皆さんのその頃に思いをいたすことができる喜びがあります。

 私ども今回の巡拝団は「ラバウル・マダン地区」を歴訪しながらここウエワクに昨夜到着いたしました。これから二日間、可能なかぎりこの地の戦跡を訪れたいと思っております。

 遺族一人ひとりの心のなかには、皆さん方の思い出が、一つひとつの違ったかたちで刻まれております。どうぞ、昔の思い出のひとときを過ごしてください。私も終戦のわずか十七日前に三十四歳で亡くなった、239連隊第一中隊長、故竹村晴次叔父との昔のひとときを偲ぶことにいたします。

 最後になりましたが、辛うじて命をながらえた戦友、そして、遺族の方々も五十六年の時間はみんなの年を重ねさせております。私たちは次の世代の人たちにも語りかけて、皆さんへの慰霊、さらには戦争で命を失われたすべての方々への追悼を続け、また、ここパプアニューギニアの人たちとの親善も続けていけるように努力をしてまいります。

 どうぞ、安らかにお眠りください。  合掌

 

          平成十三年九月七日

第25回長野県ニューギニア会 戦没者慰霊巡拝団            

遺族代表  竹村 淳    

 

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