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慰霊巡拝

第34回 東部ニューギニア慰霊巡拝団派遣事業報告(2012年)

長野県ニューギニア会は、東部ニューギニア慰霊巡拝団の派遣を平成24年10月27日から11月3日まで8日間の日程で実施した。

安川叡春団長以下訪問団員は総勢11名。今回は栃木県護国神社との合同事業として催行した。長野県からは三沢卓夫さん・長女の深沢渚さん(岡谷市)清水秀洋さん(茅野市)津金民子さん(原村)峯村契子さん(麻績村)安川叡春さん(佐久市)の6名。それに竹沢一重・キヨ江夫妻(鹿沼市)笠洋二郎さん(府中市)稲寿護国神社宮司、高橋WBC社長が参加した。

慰霊巡拝団は、ニューギニア航空直行便でポートモレスビーに入り、ウエワクの平和公園慰霊の森において合同慰霊祭を行った。その後ウエワク地区に4日、マダン地区に2日それぞれ滞在して、肉親が眠る各地で慰霊式を行い、戦跡巡りや現地の小中学校を訪問して、学用品などを贈り友好親善を深めた。

第34回 東部ニューギニア慰霊巡拝報告

派遣団長 安川 叡春

長野県ニューギニア会による東部ニューギニア慰霊巡拝団の派遣は、平成22年秋の実施から2年ぶりとなります。参加希望者の減少に加え、ニューギニア国内の政情不安と治安の悪化などのため、実施が延び延びとなっていました。

今回関係各位のご尽力により、栃木県護国神社との合同事業として長野県から6名、栃木県から3名、大阪府から1名、それに添乗のWBC旅行社から1名の計11名が参加して慰霊巡拝を実施しました。

10月27日午後7時成田空港ターミナル集合、9時5分発のニューギニア航空直行便で出発。、翌28日早朝、ポートモレスビー国際空港に到着しました。この空港は10年程前まではローカル空港と変わりなかったのが、年ごとに拡張され首都空港としての風格を備えてきたように感じた。

ポートモレスビーからバニモ経由でウエワクへ。今回は長年お世話になった川畑さんが経営するニュー・ウエワク・ホテルでなく、イン・ウエワク・ブティックホテルに4日間滞在した。

28日の午後、ウエワク平和公園の慰霊碑前で合同慰霊祭に臨み。先の大戦においてこの地で戦没した15万の英霊に哀悼の誠を捧げた。

ウエワク平和公園で合同慰霊祭に臨んだ参加者
ウエワク平和公園で合同慰霊祭に臨んだ参加者

29日はウエワクより西方のボイキン、ブーツ、ソナム、坂東川方面での慰霊巡拝を実施。

正午近く坂東川河畔に到着、河口近くで豊中市から参加した笠さんの慰霊式、さらに東に戻りながらマリン地区で三沢さんの慰霊、ソナム近くで峯村さんの父・塚原さんの慰霊式を行った。

昭和19年のアイタぺ作戦で、多くの将兵が戦死したソナム地区の集落を訪問すると、多く子供たちが駆け寄ってきて、長野県ニューギニア会の墓標と、故大久保豊氏の卒塔婆を出してくれた。集落の中にある慰霊碑の前で全員で慰霊祭を行い、集まってきた住民にわずかなお土産を渡して、感謝の意を伝えた。

30日は、2台のモーターボートをチャターして、ウエワクの沖合に浮かぶカイリル島と終戦により日本兵の収容所が設けられたムッシュ島を訪問した。

カイリル島には海軍の第27特別中隊が駐屯していたが、連合軍の上陸作戦もなく、現地の人々はそのまま基地跡を使用して生活していた。

31日の午前中、ウエワク南東部にあるモロネ集落で栃木県の竹澤さんの慰霊、ツマラウジュニアハイスクールを訪問して生徒や先生と交流。午後は洋展台の司令部跡近くの高射砲陣地跡を、さらにコイキン台ではニューギニア会が建立した観音様の前で簡素な慰霊祭を行い御霊の安らかなれを祈った。

ウエワク湾に浮かぶカイリル島の小中学校訪問して記念撮影
ウエワク湾に浮かぶカイリル島の小中学校訪問して記念撮影

11月1日マダンに移動、ヤホブの丘の慰霊碑にて慰霊祭。近郊のアレクシスハーフェン飛行場跡などの戦跡を訪れ、68年前の過酷な戦場をしのんだ。

2日はマダンから西方に移動。早朝にホテルを出発してウリンガン、ボギアなどの集落を経て正午近くにハンサ集落に着き、清水さんの慰霊式を行った。

当時、将兵から「ハンサ富士」と呼ばれていた火山島の噴煙をわずかに望むことができた。

最終日の3日はポートモレスビーの市内観光を楽しんだ。首都は今、道路の建設とビルの建築が盛んで、仕事を求める多くの人が集まり市内は大きく変わリつつあるように見受けられた。

今回の慰霊巡拝の旅が無事に催行できたのは、長野県ニューギニア会、栃木県護国神社それにWBC旅行社の高橋社長など、関係方面の絶大なるご支援のたまものと深く感謝申し上げます。お蔭さまで慰霊巡拝の所期の目的を達し、ニューギニアの豊かな自然と未知の民族文化にも触れ、友好親善も果たすことができました。皆様に心から御礼申し上げ、ご報告といたします。