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降伏調印式の安達中将の写真 本会の仲介でPNGから

パプアニューギニア日本大使館主催の、PNG独立記念日式典が去る9月13日、東京・ホテルニューオータニで開催され、本会から横田会長、小池副会長が出席した。

午後6時より約200人が参列してレセプションが開かれ、38回目の独立記念日を祝い、両国の更なる友好親善の絆を深めた。

この日会場では青年海外協力隊員として、6月までPNGの小学校で教師をしていた、愛知県出身の近藤隆昌さん(29)から横田会長に一枚のモノクロ写真が手渡された。写真は、近藤さんが2年間赴任していたウエワクのセントメリーズ小学校の校長先生が、大切に所持していたもので、「旧日本軍の司令官が、降伏文章に調印した際の写真」とされ、日本に持ち帰って欲しいと、プレゼントされた。

帰国を目前にした近藤さんは、歴史的に貴重な写真であると考え、横田会長宛に「私が保持するより、日本の適切な場所で管理してもらいたい」と、当会のホームページにメール便で相談を持ちかけてきた。

横田会長は近藤さんの意向をくみ、仲介の労をとるため、東部ニューギニア戦友遺族会の堀江正夫会長に相談した結果、「是非とも拝受したい」との意向が得られたことから、この日の面会が実現した。

近藤さんが横田会長に手渡した写真は、はがきサイズで、68年の歳月が経過してセピア色に変色していた。終戦まで、東部ニューギニア方面の作戦を指揮した第18軍司令官・安達二十三(はたぞう)陸軍中将が、参謀と共にウエワクのケープ岬において、連合軍との降伏調印式に臨んだ時(昭和20年9月13日)のものであることも確認された。

写真はこの日、会場に列席していた堀江会長に、横田会長から手渡されたが、堀江会長は昭和18年11月東部ニューギニアに出征、翌年5月からは第18軍作戦参謀(少佐)として、安達中将のもとでニューギニア作戦を支えた。戦後は陸上自衛隊幕僚長、参議院議員などを歴任、今年99歳になる。

堀江会長は「貴重な写真を現地の人が、68年間も大事に保管してくれていたことに頭が下がる。連合軍が撮影した写真をどうして手に入れたのかも知りたい。当時の将兵が、住民と友好的に接していたということも背景にあるのでは」と感慨を込めて話していた。

PNGから託された写真を受け取る横田会長と近藤さん

PNGから託された写真を受け取る横田会長と近藤さん

ウエワクでの降伏調印式に臨む安達中将(左)と参謀

ウエワクでの降伏調印式に臨む安達中将(左)と参謀